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【RemixOS】RemixOS補完計画 その1

ちょい昔、パソコン上で動くAndroid OSが流行っていましたが、今はどこもかしこも資金難に陥り、開発が滞っている状態です。本家のAndroid-x86プロジェクトすら、つい先日Androidバージョン9に対応したばかりです。このため、パソコン上で動作するAndroid OSを手にいれようとすると、どうしても古いものとなってしまいがち。Android-x86をベースにした代表的なプロジェクトとして以下のものが存在します。

・Remix OS

 開発停止、公式サイトも閉鎖。Android6.0まで対応。

Phoenix OS

 上記Remix OSの後継としてプロジェクトスタートしたが、Android7.1以降は未対応。

 http://www.phoenixos.com/

・Prime OS

 後発だが、扱いやすいとの定評があるOS。Android7.1以降は未対応。

 https://primeos.in/

 

Android-x86は素のAndroidに近く、あたかもスマホをPC上で動かしている感が否めず操作性に難があるので、ここでは扱いません。以降、Remix OSにつき、インストールから各種設定までの補完を試みます。

 

なぜPC用Android OSなのか

理由はただ一つ、Androidエロゲのプラットフォームとして非常に優れているからです。

1. UIの洗練

素のAndroid-x86に比較し、ユーザーインターフェースが洗練されており、Windowsと変わらない操作感が得られる。ゲームパッドの使用も可能。

2. 大規模なストレージ容量

スマホChromebookに比較し、PCのストレージそのものなのでテラバイト単位での容量確保が可能。最近のエロゲ肥大化を考慮すると、大きなメリットの一つ。

3. 無料、無広告である

オープンソースプロジェクトであるため、無料無広告。Windowsで動作するAndroidエミュレータは商用ベースのものが主流のため、出費を強いられる可能性がある。(Nox、Bluestacks等)

 

最近は、スマホをドッキングさせてあたかもPCのようにキーボードや画面を使えるようにしたギミックも販売されているので、ユーザーインターフェースの利はPC用Android OS独自のものではなくなってきています。それでもバッテリやストレージ容量を気にしないで済む利点は大きいです。

ちなみに、現在市販されているAndroidエロゲの中で、RemixOS(Android6ベース)で動作しなかったものは今のところ見つかっていません。(DMM, アニゲマ, DLsiteなど主要なAndroidエロゲ販売サイトのもので検証、50個くらい)Androidで動作するエロゲエンジンは作品に依存せずほぼ同じなので、スマホで「Android6.0以降対応」となっていれば、ほぼ確実に動作します。


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ウィンドウモードでエロゲを実行している画面です。起動時に上部ウィンドウ枠の最大化ボタンを押せば、フルスクリーンでも起動します。

アオイトリ

 

Remix OS の入手とインストール

 すでに公式サイトは消滅しているので、オープンソースプロジェクトから入手します。

https://ja.osdn.net/projects/remixos/

ダウンロードの一覧からAndroid Mに対応したzipファイルをダウンロードします。

Remix_OS_for_PC_Android_M_32bit_B2016112201

Remix_OS_for_PC_Android_M_64bit_B2016112101

32bit版と64bit版がありますが、古いPCを再生させる目的でもない限り、64bit版でいいでしょう。プロジェクト自体がすでに解散しているため、上記のファイルが更新されリビジョンがあがることはありません。

 ダウンロードしたZIPファイルを解凍するとインストーラEXEファイルとOS本体であるISOファイルが出てきます。インストールには2つの方法があり、1つ目は「Installation Tool」とあるEXEを実行しインストールを行うもの、2つ目はISOファイルをブート可能なDVDないしUSBメモリに焼いてインストールを行うものです。「Installation Tool」を使うと、ISOファイルを指定しガイダンスに従うだけでインストールが済んでしまいます。ただし、この方法ではWindowsとの共存が可能なものの、RemixOS用に確保できる領域が32GBまでしか取れないため、実用性が半減します。簡単にインストール・アンインストールできるので、事前の動作確認に留めておくのがいいかもしれません。

ではISOファイルを「Rufus」等の書き込みツールを使ってDVDなりUSBメモリに配置すれば、インストールイメージの出来上がりかというとそうでもありません。配布されているISOイメージはデフォルトでライブファイル形式(CDないしDVD単体でのOS実行可能形式)になっており、そのままではハードディスクにクリーンインストールできないからです。ISOファイルをDVDないしUSBに配置しメディアをPCに挿入して起動後、以下の手順でインストーラが動くようにします。

※1. 予めPCのBIOSUEFIで光学メディアないしUSBからブートできるようにしておく必要あり

※2. 以下の画面はキャプチャしやすいようVmware上で実行しているが、実機でも操作は同じ

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上記画面が最初に現れるので、「Resident mode」の箇所ですかさずTabキーを押します。オプションの入力ラインが現れるので、赤線部分を書き換えます。

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「CREATE_DATA_IMG=1」を「INSTALL=1」に書き換えます。インストール画面では日本語キーボードを認識せず英語キーボードのままなので、「=」は日本語キーボードの「^」に相当します。「へ」の位置。

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 ここから先は、随所で解説されているAndroid OSのインストールプロセスです。以降流れだけを記述。

 「Create/Modify Partitions」を選択してOK。確認ダイアログが表示され「Do you want to use GPT?」と聞かれるがNoで進む。

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 「cfdisk」画面では「New」を選択し新規にパーティションを作成。

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「Primary」を選択し、ディスク容量を設定する。デフォルトでは領域がすべて割り当てられるのでそのままエンター。

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「Bootable」を選択。FlagsがBootになっていることを確認する。そのまま「Write」を選択。 パーティションを作るがよいかと尋ねられるのでyes。パーティションが作成されたら「Quit」で抜ける。

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作成したパーティションを選択してOK。

以降、

ファイルシステムは「ext4」。フォーマットするとデータ消える警告に対してYes。

ブートローダは「GRUB」でYes、「GRUB2」でSkip。

「Do you want to install /system directory as read-write?」でYes。

ここまで終われば、後は自動でインストールが始まります。ものによりますが10分程度。

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「Congratulations!」画面が表示されれば成功です。「Reboot」を選択。

 

もし、WinISOなどISOファイルを直接編集できるツールを持っているなら、インストール時の設定ファイルを書き換えてしまうのも手です。(WinISOの無償版は500MB以上の書き込みができません)。

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ISOイメージの中のboot\grub\grub.cfgを編集します。ファイルを右クリックで「抽出」しデスクトップ等に保存、テキストエディタで開きます。先ほどの「Resident mode」に関する記述があるので、「USB_DATA_PARTITION=1」を「INSTALL=1」に書き換えます。こちらはレガシーBIOS用です。

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同様に、isolinux\isolinux.cfgを編集します。「Resident mode」に関する記述で、「CREATE_DATA_IMG=1」を「INSTALL=1」に書き換えます。こちらはUEFI用です。

編集が終わったら、編集したファイルをドラッグアンドドロップして上書きします。保存ボタンを押せばISOファイルの中身が更新されますが、500MB以上になるので有償版でしか保存できません。

http://www.winiso.jp/

 

対象となるPCのスペックは、かなり低くても大丈夫みたいです。Core2DuoのPCで試していますが、快適に動作します。最近のPCならばノートでもデスクトップでもほぼ問題なく動作すると思われます。ただし、タッチパネルや無線LANの認識動作に失敗する可能性は高いです。これらは最初から使えないと思っていたほうが気が楽です。実際、PC用Androidを搭載したパソコンを外に持ち出して使用することはあまりないでしょう。PC用Androidで可能なことは、スマホタブレットでも可能です。

 

続く