では、実際にWineを設定し、Windowsエロゲを動かしてみます。
Wine5では既定で、DirectXをはじめとするWindowsDLLの設定(内蔵版)がすでにされています。このため、特に必要なければいじる必要はありません。初期状態ではWindows7 + DirectXバージョン9, 10, 11相当の環境になっているはずです。大抵のエロゲはこの初期環境で動作します。
winecfgを動かした所。もし、デフォルトから変えたいときは、Windowsバージョンを変更したり、ライブラリタグで異なるバージョンのWindowsDLLを設定します。
フォントの設定についてはいじる必要があります。OSのシステムフォントを使用しているエロゲはフォントを正しく設定しないと文字化けが起こります。フォントはWinetricksを使用してインストールしますが、GUIだと進捗状況が見えないので、コマンドで操作します。
$ winetricks allfonts
途中でエラーが出て、すべてのフォントがインストールできるわけではありません。特に巷で日本語環境に必須と言われているcjkfontsはインストールできません。とりあえずコマンド終了後の状態は以下のようになります。
Winetricksで「Install a font」を表示したところ。色々エロゲを動かして試したところ、以下のフォントがあればとりあえず何とかなります。
・IPAMona Japanese fonts
・Takao Japanese fonts
・VLGothic Japanese fonts
エロゲのフォント設定画面で、
IPA モナーゴシックか明朝を選んでおくと、大抵はキレイに表示されます。
こんな感じです。
最近のエロゲはフォント内蔵型のものも普及しているので、特に設定しなくともキレイに日本語表示される作品も増えています。
実際にエロゲを動かすときは、1. DVD等の媒体からsetup.exeを動かしてインストールする、2. レジストリを使用していないエロゲは一旦Windows上にインストールし、フォルダごとWineのホームディレクトリにコピーする、といった方法があります。ダウンロード型のエロゲはDRM認証時に大抵失敗します。
動かし方は目的のexeファイルがある場所に移動して、
$ wine (exename)
と入力するだけです。
ひと昔前に比べれば、Wine自体の設定も楽になり、動作状況も安定した状況になっています。奇をてらうハイスペックエロゲでも無い限り、読むのも抜くのも特に支障ありません。