勃てよ、国民!

下ネタあり、閲覧注意!

【Ubuntu】VMware上でWindows9xを動かす

Windows9xはマルチコアCPUでは動作しません。Windows9x用に最適化されているエロゲも同様にマルチコアCPUでは動作しません。大昔の物理マシン(Pentiumマシン)が残っているならまだしも、なければ仮想環境で動かすしか方法はありません。

 


〈目次〉


 

1. 必要なもの

Windows9xVMware上にゲストOSとしてインストールする際に必要になるものは、以下の通りです。

VMware Workstation Player

 入手とインストールについては前回記事参照。

self-fella.hatenablog.com

Windows9xのメディア

現時点では中古市場でもほとんど流通していないため、Windows9xのメディアを手に入れるのは非常に困難です。もっとも、本記事を読んでいるような方はたぶん自前で持っていると思いますが。

 

Windows9xのブートフロッピー

無印Windows98以前は、CDからブートできないので起動用フロッピーが必要です。メディアを持っていれば、同梱されているケースもあります。Windows98se以降はCDからブートできるので必要なし。もっとも、物理的なフロッピーディスクドライブ本体が希少になりつつあるため、使用が困難かもしれません。UbuntuではUSB形態のFDドライブであってもドライバが合わない可能性があります。

VMware本体はフロッピーにしろ光学ディスクにしろ、イメージマウントができるので、物理的なフロッピーではなく起動ディスクのイメージを用意したほうが便利です。

www.bootdisk.com

こちらのサイトにWindows9x系の起動ディスクイメージが揃っています。

 

VMware Tools

各ゲストOSに最適なVMイメージ用のドライバが同梱されているので、入手必須です。入れないと画面解像度の設定ができなくなるといった弊害が出てくる恐れがあります。ただし、公式サイトにあるVMware ToolsはWindows2000以前のレガシーOSには対応していません。以下のファイルを入手しますが、物が古いためいつ削除されてもおかしくない現状です。欲しい人は早めにゲットです。

https://my.vmware.com/jp/web/vmware/downloads/details?downloadGroup=VMTOOLS1009&productId=353

ここにある「VMware Tools packages for Windows, Linux, FreeBSD and OS X」を選択しダウンロードします。ファイル名は「VMware-Tools-legacy-10.0.9-3917699.zip」です。ダウンロードするためには予めVMwareにアカウント登録(無料)し、ログインする必要があります。

ファイルを展開すると各OS名のついたISOファイルが出てきますが、注意しなければならないのは「ゲストOSに合わせたファイルが必要」な点です。今回、ゲストOSはWindows9xなのでWindows用のISOファイルを使用します。

 

・オーディオドライバの入手

ビデオカードドライバはVMware Toolsをインストールすることで何とかなりますが、オーディオドライバは手動で設定する必要が出てきます。音が出なくても構わないなら必要ありません。

http://www.techbug.com/en/knowledge-base/vmware

Webアーカイブの記事ですが、Windows98で音を鳴らすためには

 SBPCI_WebDrvsV5_12_01.exe

 eapci8m.ecw

の2つのファイルが必要になります。これを導入すると「Sound Blaster PCI128」としてオーディオドライバが構成されます。

試していないのでわかりませんが、Windows95用のドライバはCreativeのES1373サウンドドライバ(ES1373.exe)だと上手く動くらしいです。WindowsMeについても未確認ですが、こちらは特にドライバを手動設定することなくデフォルトインストールのままで音が出るらしいです。

 

2. VMwareの初期設定

では、実際にWindows98をゲストOSとしてインストールします。初期画面から「Create a New Virtual Machine」を選択します。

f:id:self_fella:20210330120317p:plain

「I will install the operationg system later.」を選択し、まずはまっさらなハードディスクイメージを準備します。

f:id:self_fella:20210330120616p:plain

 OSはWindows98を選択します。

f:id:self_fella:20210330120914p:plain仮想マシンに名前をつけ、 仮想イメージを保存する場所を選択します。ホームディレクトリの直下にでも適当な名前をつけて保存します。

f:id:self_fella:20210330121640p:plain

仮想ディスクのサイズを決めます。デフォルトの8GBで通常は十分かと思います。FAT32でフォーマットする予定なので32GB以上のサイズは無意味です。 ハードディスクを単一構成にするか複数構成にするかは好みです。ヘビーな使い方をしなければ、単一構成でもそれほどファイルサイズは大きくなりません。

この後、確認画面が出てきますが、カスタマイズしておいたほうがいい項目があります。

f:id:self_fella:20210330121942p:plain

・Memory ホストがGB単位であっても、Windows98ではデフォルトの256MBで十分です。

・Processors 1から変更しないで下さい。動かなくなります。

・New CD/DVD(IDE) 自動判別でいいです。

・Network Adapter ブリッジにするとゲストOSに独自にIPアドレスを割り当てることができますが、インターネットなど外部につなぐ予定がないならばホストオンリーでいいかと思います。

・USB Controller 1.1にしてください。それ以上にしてもWindows98では認識しません。

f:id:self_fella:20210330122559p:plain

次にAddボタンを押して、Floppy Driveを追加します。これは後から、起動用のフロッピーイメージをマウントするために使います。物理的なFDがない状態でも構いません。

最終的な調整が終わったら、フィニッシュです。ホームディレクトの指定した場所に仮想ディスクイメージが作られます。

 

3. Windows98SEのインストール

Second EditionはCDからブートできるので、FDの設定はいりません。フロッピーでの起動方法を示すため、ここでは一旦無印Windows98をインストールして後にSecond Editionにアップグレードします。SEより前のものはCDからブートできないので、先にダウンロードしておいた起動フロッピーイメージから起動します。

初期画面にWindows98が追加されているので、「Edit virtual machine settings」を開きます。

f:id:self_fella:20210330134455p:plain

「Floppy」の項目で「Use a floppy image」を選択、イメージを指定します。

この状態でPowerONすると、フロッピーディスクが読み込まれると同時にCD-ROMのドライバが組み込まれます。

f:id:self_fella:20210330140128p:plain

おなじみのWindows98セットアップ画面が出てきます。1を選択します。ゲストOSからホストOSへのフォーカス切替は「Ctrl + Alt」で行います。ホストOSからゲストOSの切り替えはゲストOSの画面をクリックするだけ。CD-ROMドライブのドライバが組み込まれるので、どこのドライブに割り当てられたか覚えておいてください。通常は、Aドライブが起動フロッピー、Cドライブがインストール先となるドライブ、DドライブにFDISKやFORMATなどの診断ツール、EドライブにWindows98CD-ROMが割り当てられます。

この段階ではまだCドライブがフォーマットされていないので、FDISKとFORMATを行います。Dドライブに移動してFDISKを起動します。

D:>FDISK

f:id:self_fella:20210330140843p:plain

 大容量ディスクをサポートするか聞いてくるので「Y」。

f:id:self_fella:20210330141353p:plain

1の「Create DOS partition or Logical DOS Drive」を選択。

f:id:self_fella:20210330141442p:plain

1の「Create Primary DOS Partition」を選択。

f:id:self_fella:20210330141529p:plain

ハードディスクの最大容量をパーティションに割り当てるか、尋ねてくるので「Y」。

以上でFDISKが始まり、終わったらEscキーでプロンプトに戻ります。再起動の必要があるので、VMwareのメニューから「Virtual Machine」→「Send Ctrl + Alt + Del」を選択します。

再起動が終わったら、Dドライブに移動し今度はFORMATを実行します。

D:>FORMAT C:

ラベルを入力したければ入力、完了メッセージが出たら終了です。

f:id:self_fella:20210330142626p:plain

 Windows98 CD-ROMのあるドライブ(Eドライブ)に移動して、SETUPと入力すればGUIでのWindows98セットアップが始まります。ここから先はWindows98セットアップの解説資料を参照してください。Windows98がインストールされた後、Second EditionのCD-ROMをセットすれば、同様なGUI画面でアップグレードされます。

 

4. VMwareTools、その他ドライバの設定

OSをインストールしただけでは、ビデオドライバやオーディオドライバが正しく設定されていません。これを解消するために、まずVMWare Toolsをインストールします。ダウンロードしたVMware Toolsファイルを解凍後、winPre2k.isoを使用します。

f:id:self_fella:20210330143750p:plain

「Virtual Machine Settings」をまず選択し、CD/DVDの項目でISOファイルを指定します。この状態でPowerONすると、ISOイメージをマウントした状態でWindowsが起動します。Windowsが起動するとVMware Toolsのインストール画面が出てきます。自動で起動しないようならば、CD内にあるsetup.exeを直接動かせばよいです。「次へ」でどんどん進み、ゲストOSの再起動後に有効になります。

VMware Toolsをインストールすればビデオドライバは正しく設定されますが、オーディオドライバは「不明なデバイス」のままです。このため、オーディオドライバファイルを外部からゲストOSにもってきてインストールする必要があります。VMware Toolsさえ入れてしまえば、ホストOS→ゲストOS間のファイルのやり取りはドラッグアンドドロップでできるようになります。最初にダウンロードした「SBPCI_WebDrvsV5_12_01.exe」と「eapci8m.ecw」の2つのファイルを、UbuntuのファイルマネージャからWindows98エクスプローラドラッグアンドドロップするだけです。

「SBPCI_WebDrvsV5_12_01.exe」をタブルクリックすると、「Sound Blaster PCI128」のドライバがインストールされます。途中で、Windows98のCD-ROMを要求されるので予めセットしておいてください。Virtual Machineの設定で、CD/DVDは「Auto Detect」にし物理ディスクを認識できるようにしておきます。「eapci8m.ecw」はMIDI音源の再生に必要です。C:\Windows\System\の配下に置きます。

f:id:self_fella:20210331101038p:plain

バイスマネージャを開き、オーディオドライバやビデオドライバが上図のように認識されれば成功です。

 

以上、Ubuntu上で構築してきましたが、VMイメージの作成はWindowsでもやり方は同じです。慣れている環境で構築し、VMイメージだけ移動させるのも一つの手です。移動させたVMイメージを最初に起動すると、「移動したものか」「コピーしたものか」尋ねられます。「コピー」を選択するとUUIDとMACアドレスが新規に割り当てられ、以前の仮想マシンとは別物になってしまうので、通常は「移動」を選択しておいたほうがいいです。